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講義について
北里大学一般教育部物理学単位では,物理学,物理学要習,物理学実験を教えています。
科学技術は私たちの生活に深くかかわっています。物理学の基本的な法則や考え方を学ぶことを通して、身の回りの自然現象や科学技術に対して適切な認識を持つと共に、様々な学問,日常生活,職業において必要となる知識や,物事をより的確に判断する力を養うことを目指しています。このページでは,授業の紹介と(僭越ながら)自分の教育への抱負を紹介します。

Teacher Writing a Formula on a Blackboard

物理学

 物理専攻でない学生にとって,物理を学ぶ意義を認識することが大事です。初回の授業では批判的思考と科学的手法がすべての学生にとって大事であるということを共有するために,疑似科学などの例を紹介しながら動機づけを図っています。

 問題を解くスキルを身につければ手っ取り早く単位が取れるかもしれませんが,それでは意味がありません。授業では考え方を重視するような問題を増やすとともに,学生が答えを知りたがるような設定の練習問題を多用し,興味を持って問題を解きながら理解の定着を目指します。

 また,数学的な手法にとらわれず,演示実験や物理の知識を使うサバイバル術などを紹介して定性的な感覚を養います。ほぼ毎回の授業にグループディスカッションを取り入れており,学生同士の教え合いの中で積極的な学習態度を育てたいと考えています。

空っぽの教室

物理学要習

 物理学要習は北里大学物理学単位が取り組むユニークな授業です。高校物理を学んでこなかった(あるいは高校物理に自信がない)学生を対象とし,大学の物理に無理なく入るための高大接続教育です。前期のみの短い期間に物理のエッセンスを凝縮し,少しでも物理の面白さが伝わるような授業をするために①演示実験を増やす②質問を促し対応を充実させる③身の回りの物理をアナロジー等も用いて紹介するの3点を重視しています。

 ①について,物理に馴染みの少ない学生にとって,実験を見ることで背後の理論をすんなり受け入れる事が出来ます。百聞は一見にしかずで学生からも好評です。

 ②については他学部から出た質問やコメントも公開し,関連情報を加えて学生全員が閲覧できるようにしています。他の学生の質問から刺激を受けることを期待するとともに,学生の理解度を調べるために重視しています。

 ③では,様々な身の回りの疑問を紹介して共感してもらうことで,裏にある理論を印象付けるようにしました。動作を伴わない非生物からの力の働きを,擬人化してアナロジーで理解させる試みも行っています。

 

ラボで実験

物理学実験

学生は6つの違うテーマで実験をし,理論への理解を深めるとともに,①得られるデータの信頼性,②観察される様々な小断面の間にどんな関係性があるか,③結果からどんな結論が得られるかを考える作業をします。学生は予習をしたうえで教員からの説明を聞き,測定,検討問題を解きます。この中で有効数字や不確かさ,グラフの扱い方などを学びます。テーマについては力,熱,音,光,電気など広く扱っています。また,興味を持ってもらえるようテーマを選定して都度見直され,最近ではヒートポンプを使った実験を取り入れました。学生はエアコンや給湯器など身近な科学技術の仕組みを学びながら,背景の物理理論を学びます。

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